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style : House
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Interview @ WMC 2005
KSR : まず、こちらの越える素晴らしいアルバムの完成を祝いたいと思います。ジャズやアンビエントからスタートし。プロッグハウスの代表的なアクトに成長したあなたたちが歩んで来た道程を非常にアーティスティックに仕上げた作品だと思います。今の感想を聴かせていただけますか?
Deep Dish : このアルバムは、色んな要素が混ざった面白くて新しい音が沢山出てきている現在のミュージックシーンを反映しているだけだよ。ロックがエレクトロニック・ミュージックに溶け込んだものがどんどん生まれているだろ?だから今みたいにパーファクトなタイミングの中で俺達はその2つの要素が合わさったものを作りたかった。そういうスタイルが受け入れられる時代を迎えた訳で、ロックとダンスを融合させた興味深いことをやっている奴らが大勢いる。いい例として挙げられるのがEvil Nineで、彼等は2人ともエレクトロニック・ミュージックのプロデューサーだけどロックに聴こえるブレイクビートを数多く作っている。彼等みたいなグループからはインスピレーションをもらうことが多いね。
KSR : ロック的な要素って今作においては結構重要だったと思うのですが、Deep Dishとしてこのタイミングでロックを入れてきたのは自分達が元々ロックに興味があったからですか?
Deep Dish : そうだね。俺は昔からクラシック・ロックが好きだったし、今でもオールタネイティヴ・ロックを聴くから、しょっちゅうロックのライブにも行くよ。それに自分達がやっているエレクトロニック・ミュージックばかりに偏よらずバランスを取ることは大切だからね。そうやってバンドの演奏を聴きに行くと、ロックの中にダンス・トラックを作るためのインスピレーションを得ることが多い。自然にそうなっていったというか、俺達が98年に出した最初のアルバムでも既にロック&ダンスのアイディアを幾つか取り入れていたしね。今ロック&ダンスを組み合わせた格好いいことやっている連中は沢山いるし、これからのダンス・ミュージックには短めの歌みたいなものも必要だと思う。
KSR : まずあなたたちのキャリアを教えていただきたいんですが、それぞれどんな音楽遍歴を歩んで来たんですか?
Deep Dish : それはバイオに全部書いてあるから、そっちを見てもらいたいな。
KSR : その中でダンス・ミュージックに手を染めるきっかけになったのは何なんでしょうか?
Deep Dish : 俺達は音楽的に面白いことが起こっている時代を通り抜けてきたからね。まずインダストリアル・ミュージックにのめり込んだ。シカゴのWAX Traxは全部聴いていたし、初期のKraft Workとかのヨーロッパのエレクトロニック・ミュージックも好きだった。それで、そこからシカゴハウスやニューヨークハウス、あとはニューウェイヴもその一部として聴く様になっていった。時代の流れに乗って音楽と出会って、1つのスタイルから次へと点を結んでいくみたいな感じだったからごく自然なプロセスだったんだ。
KSR : あなたの音楽はすごくヨーロピアンな魅力に溢れていると思うのですが。
Deep Dish : ヨーロッパの人達はいつも実験的なことをやってきたし、それと同時にアメリカの音やスタイルを盗んでそれを自分達のものとしてまたアメリカに売り込むのが上手いよね。The Beatlesだって、Little Richardの「Tutti-Frutti」の真似をしてスターダムを築いただろ?ヨーロッパのやり方は興味深いよ。
KSR : 今作はダンス・ミュージック以外の広いジャンル、ポップやロックが好きなリスナー達にもアピールするものだと思います。この音の変化によって自分達のリスナー層が変化してくるとは感じますか?
Deep Dish : ああ、このアルバムは色んな人に聴いて欲しいと思って作ったんだ。98年以来アーティストアルバムを出していなかったし、その他のミックスアルバムは普段俺達がクラブでかけている様な音ばかりで特定のリスナーにしか届いていなかったからね。今回は俺達が今までやってきたスタイルに加えて、アーティストとして成長するためにもクリエイティブなことに挑戦したかった。世間は俺達の従来のスタイルが一番だって言うかもしれないけど、一人でも多くの人がこの作品を気に入ってくれることを願っているよ。
KSR : あなたにとってお客さんを楽しませるのに、ダンス・ミュージックの世界といわゆるメインストリームであるロックの世界は直接繋がっていますか?それとも別々のものとして扱っていますか?
Deep Dish : 今回、曲を作る過程で特に意識したのはダンスフロアー以外の場所、例えばMTV Unpluggedでライブをできるものにしようってことだった。コンピューターやエフェクトのテクノロジーに頼らずにヴォーカルと楽器を使った正統的な音作りをして、でも両方のシーンにいる人達が楽しめるエッセンスを持ったものにしたかったんだ。誰かの車の中で流れていたのを聴いて、後で思い出してもらえる様なものをね。
KSR : では、このアルバムはその2つのシーンを繋げるものになると思いますか?
Deep Dish : そう思うよ。俺達が唯一やれていないことはライブのショーだからね。まだ実行するかは未定だけど、もしやるのなら全部ライブでやるのが目標だよ。
KSR : 元々ジャズとアンビエントが合わさったような作品を作っていたあなたがトランシーなプログレッシヴハウスの要素を強めてきたのが96年リリースの"Stay Gold"からです。あのアルバムで起きた変化というのはなんだったと感じてますか?
Deep Dish : 自分達でもどうしてあれが特別になったのかわからないんだよ。でも俺達は常にユニークなアプローチを取る努力をしているし、注目を集めるためにはそうすることが必要だからね。新人のミュージシャンやプロデューサーはどうすれば俺達みたいになれるのかってアドバイスをよく求めてくるけど、俺達が活動を始めた昔と比べてプロデューサーやDJが山ほどいる今の方がずっとハードルは高いからね。俺達の中でいつも不変のものであり続けているのは、ユニークでいる姿勢だよ。他の音楽やアーティストに影響を受けても、そこから自分達独自の音を作ったから"Stay Gold"や他の曲が評価されたんじゃないかな。
KSR : 確かに今はプロデューサーやDJが星の数ほどいて皆がユニークなことをやろうとしています。その中で、自分達が常に際立った存在でい続けるということにプレッシャーを感じることはありますか?
Deep Dish : もちろんあるよ。でも逆にそこから影響を受けることが多いからね。一番インスピレーションをもらうのは、DJよりも自分の部屋で曲を作っている人の作品だね。数週間前、Timo Marsが彼のレーベルに所属する19歳のDaniel Taylorがリミックスした作品を送ってくれたんだけど、聴いてみてぶっ飛んだよ。自信喪失するくらいね。
KSR : そういった驚くようなものを作る才能ある若手がどんどん出てきて、これから先のミュージックシーンやDJシーンはどういった方向に進むと思いますか?例えば、あなたは今回のアルバムがナショナルチャートに入ったり、大きいセールスを作れる様な可能性を秘めたものだと捕らえますか?それと同時にものすごくアンダーグラウンドなものだと思いますか?また、自分と今後のシーンの関係性についてはどう考えますか?
Deep Dish : 自分達のレーベルがあるからそれが役に立っているよ。才能豊かな若手プロデューサーやアーティストはうちのレーベルと契約したがるし、俺達が毎週末やる DJプレイを見て影響を受けて、そこで自分達の曲をかけて欲しいって言ってくる人もいる。お互いを影響し合っている様な関係だよ。これから2年の間に世に出る様な作品が今もう手元にあるからアドバンテージがあるし、他の人よりも一歩先を行っていると感じるね。そういう未発表の曲をかけると、お客さんがイマイチ乗ってこない時も多いけど、今から耳慣らしをさせておけば6ヶ月後にはその音がストライクを決める新しい音になるって確信しているから。
KSR : それではアルバムについて伺います。まず制作にあたっての何かしらのテーマみたいなものがあれば教えていただけますか?
Deep Dish : 俺達はいつもギグですごく忙しいから、このアルバムを完成させるまでに2年かかった。それも2年間ちゃんと定期的に取り組んでいた訳じゃなくて、空いている時間にスタジオで新しい曲を作ったり前回の続きをやるっていう風だった。だからアルバムの中の曲は、ツアーの移動中とかにお互いの演奏を聴いてアイディアを思いつくと、それを忘れる前に早くスタジオに戻りたくて仕方がなかった。だから普通のバンドがスタジオに数週間とか1ヶ月こもってレコーディングしてミックスするっていうのとは全然違って、まず時間を見つけてアイディアが再現できる場所まで行かなくちゃって感じだった。しかも完成したと思った後に、もっとアイディアが湧いてきて最後の3,4ヶ月にアルバムに収録されている4,5曲を新たに作ったんだ。常にクリエイティブなもの、新しいものを作りたいっていう強い欲求に満ちていたね。
KSR : さきほどもいったようにこれまでのあなたたちが通って来た道、ジャズ、アンビエント、トライバル、プログレッシヴ、テクノ、トランス、ロックが非常に豊かに混ざりあっています?このタイミングである種こうした集大成的なアルバム、ボーダーラインを排したアルバム制作に向かったのはなぜだったんでしょうか?
Deep Dish : 俺達はいつもそうしてきたし、今までも自分達が受けてきた幅広い影響を集めて新しい曲を作ってきた。それは俺達にとっては挑戦だけど、そうしないと退屈だよ。DJする時もプロデュースする時もそれは同じだね。
KSR : 結構欲張りなんですね。
Deep Dish : いや。俺達の問題は好きな音楽のジャンルが多すぎるってことだね。俺はSecret Machineもニック・?も同じくらい好きだから、自分の好みを分けるのは大変だよ。1つの音楽を聴いていると他のものも聴きたくなるけど、いい音楽を賞賛する気持ちに変わりはないからさ。それをアルバムに反映させているのは確かに欲張りと言えば欲張りだけど、俺達は平面じゃなく様々な方向から音楽を捕らえているだけだよ。ダンスミュージック・プロデューサーであると同時に普通の人としてね。
KSR : そういった色んな要素の音楽を1つのアルバムに集めるとバラバラに聴こえてしまいがちですが、それらをDeep Dish印のサウンドにする時に何が一番大事になってくるのですか?
Deep Dish : バランスを保つことだね。クラブ向けの音と今回僕等がプッシュしようとしている新しいハイブリッドな音のバランス。昔からのファンも大事にしながら、新しいファンも轢きつけるためにね。
KSR : そうした中での代表的なトラックが昨年ビッグヒットになったflash danceですよね。あのシングルはあなたたちの中でどのような転機や方向性の決定を促したトラックだったんでしょうか
Deep Dish : あの曲の面白い所は、80年代に育って映画を観た人達の大半があの曲を潜在的に覚えているんだ。それと同時に、同じ年代なのに映画を観なかった人達と若い世代はあれを全くの新曲だと思っていたりして、幅広い層があの曲を支持してくれたのは嬉しいサプライズだったね。でも、あれが古い曲だったからこそ世代を超えてヒットしたって思うよ。
KSR : あの曲ってすごくリスナーをじらす種類のものだと思うのですが、それはやっぱりわざとなんですか?
Deep Dish : そうだね。俺達にとって音楽には"前戯"の部分が必要だと思うからね。聴き手に期待感を持たせて曲に集中させてから、欲しい物を与えるっていうテクニック。俺達がDJをする時に、ずっと盛り上げたままにせずに落としたりするのが効果的なのと同じだよ。
KSR : 本作で耳を惹くのはDream、Everybody's Wearing My Head、Awake Enough、Say Helloのような美しいメロディックなトラックです。アンダートーンでメランコリックなこれまでとは異なって非常にポジティヴでドリーミーなバイブが強まってます。こうした変化はどのようにして生まれてきたんですか?
Deep Dish : 俺達の音楽はいつもビューティフルな要素を多く含んできたよ。悲しくてメランコリック、だけどすごく楽観的なのが俺達のバイヴなんだ。Flash Danceはその出発地点で、あの曲を初めて聴いた人はDeep Dishの作品だって知って驚いたよ。違うテイストを出そうって実験的していたからね。ハッピーな曲も好きだけど、悲しい感じのこともやりたいんだ。
KSR : いつものDeep Dishだとダークで美しいっていうイメージじゃないですか?
Deep Dish : 俺達にとって"憂鬱"は究極的に美しいものだからね。でもそれ以外にも色々な感情を盛り込むことで、俺達の音楽がリスナーの心の琴線に触れて欲しいと思う。
KSR : それだけじゃなくて、自分の気持ちに変化があったっていうのはないのですか?
Deep Dish : もちろん音楽っていうのはすごく個人的な感情から生まれてくるものだよ。映画監督が映画を作る時に自分を満足させるために作るのと一緒。それで作り終えたものを世界に差し出して、人々の共感を得ることができた時に初めて自分の言いたいことが伝わって、コミュニケーションが取れているのを感じるのさ。
KSR : 特にセカンド・シングルの"Say Hello"は切なくも希望が溢れてくるようなすばらしいトラックですね。この曲に閉じ込めたメッセージを教えて下さい。
Deep Dish : さっきも言ったみたいに悲しいけど、すごく楽観的なバイブだろ?まるで長いトンネルの先にやっと希望の光が見えてきたみたいな。歌詞は他の子が書いたから具体的な意味はわからないし、もしかして俺が解釈しているのとは違う意味なのかもしれない。でも沢山の人達があの曲を好きだっていうコメントをもらったよ。
KSR : In Love With A Friendはもう牧歌的といっていいくらいフォーキーなポップトラックです。こうしたトラックにチャレンジするのは勇気がいりましたか?
Deep Dish : あの曲は歌詞がすごくシンプルな所が大好きなんだ。歌詞を聴くと、仲のいい友達を愛している人の切ない話で80年代ニューウェイブの頃に溢れていたポップなバイヴを思い出させたよ。OMDの"If You Leave"みたいな。そういうバイヴを追求したくて作った曲なんだ。最高のポップ・トラックだと思うし、自分が生きている間にもっとポップを作りたいね。クラブ用の曲を週に5曲作ること誰にでもできるけど、結局はクラブにいる人が踊るのにいいねっていうだけで終わってしまう。ポップなものは時代に関係なく皆の記憶に残るんだ。だから俺達はいい曲のエッセンスはヴォーカリストとギター中心のもので、そうやって作った曲はダンス・トラックよりも寿命が長いって信じているよ。俺自身も古い曲でNew Orderとかのいいものは今でもよく聴くしね。すごく際立っていて特別な思い出がない限り昔のダンスものはあえて聴こうと思わないな。Depeche ModeのMartin Goreはニューウェイヴ出身で、彼の書いた歌詞はどれも素晴らしい。現代の優れた作詞家を代表する存在だし、本当に尊敬しているんだ。あとはBjork と仕事をしてみたいなとずっと思っていたけど、ここ数年は他の人とやるやり自分達独自のものを作りたい気持ちの方が強いな。このアルバム全ての曲を他のアーティストとのコラボレーションにもできたけど、それじゃあDeep Dishのアイデンティティーを失っちゃうからね。
KSR : Dream、In Love With A Friendなどポジティヴなタイトルがアルバムの多くを占めています。実際アルバム全体は非常にポジティヴなエネルギーなんですが、今割りと世界的には明るくない事件ばっかり起きてますよね、こうした社会的背景が本作をポジティヴにしたと言えますか?
Deep Dish : タイトルに特別なメッセージはないよ。歌詞から取ったり、曲を保存する時にファイル名がいるから思いつきでつけたり(笑)、自然の成り行きって感じ。
KSR : 僕が以前ケミカル・ブラザーズのインタビューをやった時に、彼等は10年前みたいなドリーミーでサイケデリックかつデカダンスなダンス・トラックはもうできないだろうと言っていたのですが、今回はそういうものを作ろうっていう力強い意識を感じさせるアルバムを出しました。それはやはり難しいことなんですか?でもあなた達も今回まさにサイケデリックでポジティヴでドリーミーな作品を出して訳で、それを出したのはやっぱりそういう意識があるからなんですか?
Deep Dish : いや自然にそうなっただけだよ。俺達は自分の音楽を言葉で表現するのが苦手だし、このアルバムを一言で言うなら"相違"、それとも"折衷主義"とか?うーん、わからないな。周りの人は俺達の音楽に定義をつけたがるけど、リスナー1人1人が感じることって違うはずだからさ。だからアルバムの意味や意義は自分で見つけて欲しいな。それはDJとして、そしてアーティストして培ってきたマインドセットだよ。
KSR : 個人的にはあなたたちのアルバムを聴いて、アティテュードの出し方は違えどフェイスレスのような非常に自由度の高いサウンドを指向していると感じたのですがいかがでしょうか?
Deep Dish : 別に自由度が高いものを意識した訳じゃないよ。俺達はただ自分の中で正しいと感じることを自然にやっているだけで、その結果としてポップ色が強いもの、ダンスよりのものっていう違ったサウンドが出来上がっていって色んなものの集大成みたいになったんだ。
KSR : 今ダンスミュージックというジャンルは、ポップへのアプローチが一段落して次の方向性を模索して非常に揺らいでいるようにも感じます。あなたがたはダンスミュージックは今後どの方向に進むべきだと考えますか?
Deep Dish : 俺達が始めた頃からシーンは極端に変わったね。95年かそれより前は、Masters at WorkみたいなアメリカのDJが主流だったのが、数年の間にもっとヨーロッパよりのテイストになってきたね。ダンスミュージック・シーンはインターナショナルなものになったし、Paul Van Dykeみたいな大衆にわかりやすいテイストが受け入れられる様になって、あの頃とは全く違うグランドに立っている感じだよ。でも自分達とPaul Van Dykeを比べても意味がないし、俺達は現在の皆のテイストよりも一歩先を行く努力をするだけだよ。シーンはこれからも大きく成長して世界規模なものになり続けるし、もう自分達のお客さんはニューヨークにある特定のクラブの人達だけじゃない、世界を相手にしている訳だから。
KSR : 最後にリスナーにメッセージをお願いたします
Deep Dish : Sharam: アリの主食は寿司なんだ。マジメな話、毎日朝から晩まで寿司食ってるんだよ(笑)。こいつはKing of the Sushiだね! Ali: 俺は日本が大好きだよ。日本食も日本文化も日本人も好きだから、また日本に行けるのを楽しみにしている。例え日本が地球の反対側にあっても、クラブでファンのみんなに会うと自分の家みたいにくつろいだ気持ちになれる。
インタビュアー :: 佐藤譲
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